シュメイナス シアター

mosshaven2010-04-27



ナナイモを通り越して さらに40分ぐらい
シュメイナス、という ポートアルバー二に似た
町がある。


こちらも かつては栄えた木材都市、
ということは 今は不況でゆきづまっても おかしくない土地、



なのに ユニークな 町おこしで 今では有名、
この旧い 製材所以外には どこといって何もない
土地のあちこちで 先ず 外ベイに絵を描く、
フレスコのように 大きな絵、

モチーフは 製材所であったり、土地の 原住民の
首長、あるいは 森で働く人々、
やがて ポツリポツリと描かれたこの絵を見に
旅行者が立ち寄る。  


そして 今では 昔の様子そのままに 明るくいろどられた
家々をかわいらしく お土産やさんに仕立てたり、
要するに まちぐるみが 統一された観光向け。


そして その中でも中心が この シアターレストラン、

中心のハイウエーをそれて 森の中に入った
その先に こんなホテルが建ったわけもうなずける。
アラスカン クルーズの 立ち寄りコースでもあるらしい。

主人が 友人に ジャケットにタイ、と電話で言っていたけれど
先を行くカップル、
おしゃれな ハイヒール姿を この町で見かけるとは、、



実はこの日は ダブルデイト(なんという旧い言葉)
小姑さんと主人の友人を紹介、
二人はおとな、私たちまで行くことは無いんじゃない?
レストランも乗り気じゃないし、この辺で見るおしばい
なんて、、それに着替えるのもおっくう、 まして当日朝から
マーケット 雨と風、寒かったし、寝ていないし、
一人で家で ゆっくり ガーデニング(が唯一私の
リラックス)していたい、


いつものように マーケットを終えて スープを飲みながらの
私の嘆願、やっぱり 聞き入れてもらえそうに無い。


と、こんな状態でたどり着いたこの町、
かわいい!
もっと早く来て散歩したかった(まんざらでもなさそうに)
だろう? おれのいうことはいつだって パーフェクト!


シアターの建物に入ると なんだか雰囲気が ちがう。
天井がたかくて 受付嬢も 鄭重、 
2階に案内されて ビュッフェの入り口の
待合ロビーも ふかふかじゅうたん、大きな窓ごしに緑が
見渡せるし なかなか 荘重なふんいきさえある。


グランドピアノの軽い音楽を聴きながら 食事。
この食事が又 すっかりこの小うるさい私をうれしがらせて
くれるほどおいしい。  はじめに出されたスープを一口
のんだら、、 なんともいえない甘みと
カレー風味のスパイスが良くマッチして不思議な味、
(オレンジジュースと蜂蜜が入っていたらしい)



そんなに洗練された感じ、ともちがう。  かといって
伝統的なフォーマルな感じや 豪華さでもない、 
でも 静かで柔らかな この独特の雰囲気の中に
どんな人でも 安心してくつろげる豊かな食事の
ひと時、いやなことなど全く入る込む余地の無いような、
そんなムード。

とくにおいしかったのが(彼は 食べようともしない) 
天草のようなワカメサラダ、そして あまりにも大きくて
躊躇したけれど ニシンの酢漬け、彼が嫌いだから 食べる機会が
無いので お皿にとったら、これも絶妙!


もう信じられないくらい お替わりまでして食べたこの2品、


本当は 二人か 娘と3人くらいが気が置けなくて一番、と
思っていた社交性ゼロの私でも この日は 楽しかった。
気の会う仲間と こんな風に贅沢なときを持てば
誰だって楽しいことしか話題にでない。


そして ショータイム、

流れるように レストランの奥へと進めば
300人程度が入れる小劇場、

かなり急坂になっているので 小さなステージが
くまなく見えるばかりか、自分の部屋の延長のよう、


だしもの(これもふるい!!)は Sunshine Boys,
以前 フィルムでみて この忘れん棒の私が感激して
今もはっきりおぼえている、1975年の あの 
Walter Mathau と George Burns の主演、
かつて テレビで活躍のコメデイアン ふたりが年老いて
いじをはりながら 昔のままの活躍をしたい、でも実際は
一人では もう生活もままならないほど、先のこともわからない。
住んでいるアパートの設定がなんとも言えず 懐かしさを感じる 
旧い調度品、
ペイソスの満ちた 笑いの中にもちょっと哀しい、私たちの
年代なら ズキンときそうな 良く出来たお芝居、本等に
劇場中の観客が一体になって 楽しんでいるかのような錯覚、



何回も 主役の二人が カップに紅茶を注いで飲む場面が
でてくる。こんななんでもない場面が 実は 観客を最も楽しませる
要素のひとつかもしれない。  
ところが、そのたびに ああお茶がのみたい、のどが渇いた、と
思ったのは 私だけでなく、4人とも、
2組に分かれて 帰るとき 全員が 水がほしい!
ワインのみすぎ?それともご馳走の食ベ過ぎ??