マックリアン ミル

mosshaven2008-09-22

といっても マックドナルドの親戚ではない。


約100年ほど前に この町から 車で 20分ぐらいの
森林に製材所(ソーミル)が建ち、当時は 交通の便も不便で
そのミルを中心に ウォーカー(製材所で働く人々)の住まいも
何軒か建てられ 町への運送、そして 通う人のために



機関車のレール、駅も建てられた。


このミルは 戦後もしばらく 使われていたが 現在は 観光用に
そのまま残され、

特別の日には ミルで昔どうりの蒸気製材を行っているところを
見せる。 現在 カナダで唯一みられる蒸気での製材。



昔ながらの 当時をしのぶ木造建物や アルバー二の人なら 
誰でも 思い出のある 一昔前の 製材所。


最近は 結婚式をしたり、イベントが行われたり、又 夏には
毎日 2回 この 可愛らしい機関車で観光者のための 運転が
あり 途中で 列車強盗が 乗り込む、という おまけつき。


先週末の日曜日は その当時からの 年代物 トラックの
展示があるから見に行きたい、という主人のおともで でかける。
さわやかな初秋の山間ドライブもなかなか すてがたい、、


到着したら ひなびた木造の家々が 木々の間に 見え隠れ



何の変哲もない 素人つくりの木造小屋。
昔の私だったら カナダって 歴史がないから こんな朽ちかけた小屋でさえ 
写真に撮ったり、、と思っていたが 何十年とこの地に住んだ今は見方が
変わっているのに気がつく。


こちらは 当時の 事務所
大昔もちょっとした昔も 豪華な建物も つましい住まいも いずれも 
歴史にはちがいない。  そこに 人が住み、いろいろな人生があり、
そして その人々はもういない。

でも たった
7,80年昔だから かえって その人たちの形跡が 見る人の想像力に
つながってくるような気がする。  遠い昔ではなくって 今の世代の多分 
祖父母、或いは幼い頃に父母がここで働いていた人もどこかにいる。  



戦前 ここには 日本人の家族も就労、生活していて、そのときの楽しそうな
写真がミュージアムにある。  やがて 戦争が始まり ある日突然収容所に
翌日行くことが決まり、楽しかった思い出が再び戻ってきてほしいと望みながら
日々の生活必需品、茶碗や鍋などが 土の中に埋められてあるのが
地質学者達によって発見された。  少人数の人々の区域、きっと 差別や
偏見はなかったものと見える。


又 ここから 車で 3時間ほど先の 今は 山間の静かな村に 昔は
日本人が 何千人と働いており、楽しそうな集会の写真なども見たことがある。
わずか百年に満たない以前に 私の聞いたことも想像もしたこともない土地に
日系の人が、、、と不思議な気持ちを覚え、そのときも その辺一帯の 石や木、
旧い道などに特別の感慨を持って眺め渡した自分。  


このイベントに どこから訪れたのか かなりの訪問者たち。

やがて 旧いトラックに 丸太が詰まれ、ゆっくりと小道を通り、貯水場へと
進む。  


みな その過程を知っているのか どこからか 人が三々五々と
集まり 同じ方角へ、、

トラックから 丸太を引っ掛け、持ち上げそして 水面に落とすための
坂道、これらはすべて木で出来ている、しかも 素朴な作り方、過程から
実際の動きまで 現代の複雑な機械とちがって 手つくり、そして人間の
操作で行われる、ので みていて楽しい、蒸気で動かしている、そのせいか
のんびりした音は 少しも耳障りではない。


最後には みな拍手で(名前を呼びながら) ウォーカーを たたえる。
江戸時代の 花火のたまやあ、かぎやあを連想。(?)


そしてこんどは ぞろぞろと ミルに入っていく。  水面に浮かんだ丸太が
ミルに はこばれ、ながいくさりやごむなどでつながった板のうえを 順番に
ながれてゆき、ところどころで エキスパート風の職人が向きを変えたり、
型にはめたり、


或いは スライスされた板をそろえたり、私のような見物人にも
その流れが良くわかる。  当時の職人さん、きっと いきいきと楽しく働いたに
ちがいない。 


このミルでの ウォーカーの 紹介。  いずれも ひとかどの経験者、 
ひげを生やしたり、吊りバンドをしたり、それなりの風格が身についていて
見物人の群れから 離れる時点では ゆったりと手を振ってあいさつ、彼らも
半生をかけてきた仕事を見せることの誇りと たのしみが半々。


かなり 歩き回って 遅めのランチは 入り口近くの 休憩所で。
並んでいたら なんと忙しく働いているボランテイヤの一人は 主人の
プロジェクトチームの一人、で 一緒に バーガーのランチ。


主人は 昔 みんなが ミルで働いていたときのことなど思い出したり、勢ぞろい
した50台あまりのトラックも見られたし、そして 秋日和の中を良く歩き、
私も 思わぬ 楽しい一日、で ふと 帰り道に 思い出したこと、


とちゅうにある あの ダリやをいっぱい咲かせている家、ちょっと お花をのぞいて
いきたいから、とまわってもらう。


たまたま オーナーが庭に、
200種類以上の ダリや、今年は例年より花つきがよくない、といいながらも
あれこれ 説明してくれた。  春は 何千種という 水仙の持ち主でもある。

この花々の手入れだけでも大変なのに
最近は 好きな カントリーミュージックの お呼びがあちこちからくるらしい。
彼は なかなかの ミュージシャン、一度しか聴いたことがないがチャンスがあれば
ぜひ又聴きたいもの 
よくよくきけば 週に4−5日間あまりもの演奏をかかえているとか、、
来月は 誰でも 参加できる デイナーショー(ステーキディナーがついて ライブ
ミュージックでダンス、で12ドルなんて 聞いたことがない)本当にこの土地の人は 
エネルギッシュ、でもすきなことだからこそ みな こんなに
エネルギーが出るのに違いない。 


好きなことがあって しかもそのタレントに恵まれ 人を喜ばせ、 生活に支障なく
それを楽しむことが出来る、なんて このうちひとつだけあっても その人は
ラッキーかもしれない。  でも 彼だって おととし頃は 悲しいことがあって
ずいぶん 落ち込んでいたと聞いていたから よかった。  
来月のその日を 楽しみに、、