雨にもまげず

枝の小山の向こうはお隣さん


バンクーバーに移り始めた頃は 秋冬はかなり雨が多いと感じてはいたものの
このバンクーバー島に住んでみると これは 本格的な雨のシーズンという気がする。

とにかく 雨が降り出すと 行くところはない(山に囲まれているので)、
することもない(ガーデニングが好きなので)
ドライブしても 人がどこにもみあたらない。。。といった感じ。
日が短いので 冬は特に暗い時間が多く、退屈しきってしまう。  
それを通り越して 気分がめいってきはじめるのをキャビンフィーバーというのだそうだ。

それだけに たまに日が差し始めると あいさつは まずお天気のこと。
この土地の人は おそらく日本人の数十倍も よいお天気に感謝しているに違いない。
だからといって 毎日の雨に文句を言っている人もあまり見当たらない。
この土地、ポートアルバー二は自然の宝庫、何よりも森林の豊かさに恵まれている。
それには 雨は不可欠の条件なのだから。。

いまでこそ 木材業は斜陽となっているが 4−50年前は カナダで一番の木材搬出地、
その当時 繁栄したこの町のなごりが 道路、小さな町でありながら 主な道路は
広々と整備され、なかなか立派なものである。
駐車場に困ったことはないし、土地の人のドライブマナーも 感心してしまう。  
大きなトラックが日に何十台も木材を積んで通過している場面も想像できる。
今でも かなりの大型トラックを見るが 積んでいるのは皆原木、中国に
製材されるために輸出されるのがほとんど。。。という事実は 何より残念なことと思う。

話がとんでしまったが 今日のようにうっすら日が差してくると 頭にまずうかぶことは
私たちの小さな山荘のこと。
住んでいるタウンから車で20分ほどの この山荘自体はちいさいのだが  
山荘を囲んでいる庭というか土地は森の一端でもあり、それこそ 晴れればいつでも
することは山のようにある。

この秋冬の嵐で この森一帯もかなりの被害、私たちの山荘のまわりには
無数の小枝、大枝がちらばっている。  それで 今日はおじいさんとおばあさんは
山に芝かりに。。。ということになる。
黙々と枝の残骸を集めていたら。二つの小山ができてしまった。
孫たちがきたときにでも 燃やすことにする。

あまり寒くないので テラスにお茶を持ち出して休む。
音もなく いつの間にか霧が忍び寄っている。
帰るころには すっかり日が暮れて 林道も暗く、鹿などにぶつからないように
土地の人に見習って ゆっくりと。
わずか2時間ほどの労働なのに 帰路 気持ちは充分に満たされた一日。